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ルール2 カカトの合わない靴は潔くあきらめること


今日もお読みくださってありがとうございます(^-^)

今回は
ルール2 カカトの合わない靴は潔くあきらめること
をお送りします。


靴は、ファッションアイテム!

お洋服と同じく、靴も
春物、夏物、秋物、冬物、
オールシーズン用と様々なタイプがあります。

毎シーズン発表される新作には本当に心が躍るもの。

靴のデザインから
お洋服を決めている方もいらっしゃることでしょう。

靴メーカーにもよりますが、
大きくは年に二回が新商品登場シーズン。
春夏物、秋冬物ですね。

だいたい春夏物の入荷は2月節分が過ぎたころから、
秋冬物は8月のお盆過ぎ頃から店頭に登場します、
new arrivalと書かれたポップと共に。

女性ファッション誌も
2月号、8月号にシューズ提案が多くなります。
お洋服より一足早い感じです。

お客様がワクワクできる新作をご案内するために、
全国中の靴屋さんは、どんなメーカー、
どんなデザインの靴をお店に入荷させようかと
セレクトをおこなっていきます。

これがバイヤーさんのお仕事の一つです。

国内も海外も、
年に二回大きな靴の展示会が行われています。

日本でしたらやはり東京で行われる展示会が
一番規模の大きなものとなっています。

私共もお客様に新作をご紹介するべく、
入荷検討のためのセレクトを行っていきます。

そんな中で必ず行うことが、
私をはじめスタッフたちの足で実際にサンプルとして
出来上がっている靴を履いてみること。

実物を見てみるだけでは
決してわかりえないことも多いですから、
私たちの足が基準となって靴たちの特徴を捉えていく。
ということです。

ちなみに、私の足は
がっしりとしていて幅が広く外反母趾持ち。

現在では、外反母趾の痛みからは
おかげさまでずいぶん解放されていますが、
著しく体力が落ちている時や、
靴によっては痛みをしっかり感じることができるタイプです。

土踏まずは高からず低からず。
くるぶしの位置も高からず低からず外側や内側に倒れこまずに
比較的真っ直ぐをキープできています。

足の形はエジプト型と言って、
親指が一番長いですが、
どちらかというとスクエア型にも近い長方形のような、
華奢とは程遠いどっしりとしたタイプの足をしています。

ご参考までに人差し指が長い形をギリシャ型、
親指から小指まで比較的長さが同じタイプはスクエア型
と呼ばれています。

さて、この私の足が靴入荷用診断物差しです。

もちろん、
私の足にピッタリの靴だけをセレクトするわけではなく、
はるかに幅の狭い靴、反対に幅の広い靴などなど
多種多様に選んでいく中の、物差し替わりなのです。

一足一足、サンプル靴を履きながら、
この靴は外反母趾が痛くない、
縫い目が微妙に小指の外側に当たっているとか、
このデザインは甲の部分が比較的きつく感じるとか、
私の足でもブカブカに感じるとか、

外くるぶしの骨が当たりやすい、
足裏の感覚が云々と次から次へと感じたことを
靴アドバイザーたちに伝えていきます。

彼女たちは私の足を
隅から隅まで知り尽くしていますから、
そのデータを基準に
新作靴のそれぞれの長所短所をプロファイリングし、

そして、新作靴を待ちわびる
お客様方のお顔と足を想い浮かべながら、
山のようにあるサンプルの中より
入荷検討用の靴を選び出していく。
という作業を淡々と行っていくのです。

この作業はとても大事なことで、
全幅の履き心地間違いなし!
と思っているブランドであっても、
あれ?思っていた履き心地ではない!
ということがあります。

実は、ずいぶん昔ですが、
このブランドは絶対大丈夫!と、
足入れもそこそこに、たかをくくって入荷させたら、
やってきた靴たちがウソーッと叫んでしまうくらい
予想を裏切ってくれまして、涙した経験があります( ;∀;)

ですから油断ができないのですね。

ちょっとしたパターンの違いだったり、
縫い目の高さだったり、素材の問題だったり、
はたまたこちらではなかなか把握しずらい
工場内の問題だったりと、
足とはなんともデリケートに感じ取っていくのだろう。
と感心するひとときでもあります。

正直言って体力もいりますし、
神経も集中しますし、
見た目ほど楽な作業ではありませんけれど、
黙々と続ける価値があるのです。

さて、そんなチェック時に 
即、却下! という基準があります。

どんなに素敵な靴であろうとも血も涙もなく 
即、却下! 

それはカカトの甘さ。

カカトが甘い。
と私たちは言っていますが、
ようするにカカトがゆるくて抜けやすい靴。

サイズがあっているはずなのに
歩いている特にバカバカしやすい靴。

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歩くたびにカカトが抜ける。これをカパカパブスと呼んでおります。



これはどんなに店頭にほしいデザインであっても入荷を見送ります。


なぜなら、手の施しようがないのです。

例えば、外反母趾が痛いとか、
小指が当たる、くるぶしが~。
といった足にとっての不都合は、
お客様から魔法の手!と言っていただけるほどに
履き心地の改善が可能なのですが、
そんな魔法の手もカカトの甘さだけはお手上げ状態。

もちろん、カカトの甘さをサポートする
補助テープも販売されていますから
対応できるお客様もいらっしゃいますが、
それはとてもラッキーなこと。

基本、難しい。

これが1997年から靴選びをサポートしてきた
私たちの本音です。

今も、街を歩くと
カカトをパカパカと脱ぎ履きしながら(!)
歩く女性の姿を多く見かけます、

そして、その多くは20代であろう女性です。

ちなみに30代からこの現象は激減してくるのです。

理由はパカパカする靴に
体力がついていかなくなるからです。

これは、面白いことに、
見た目20代!な40代であっても同じ。
足は正直ですね。

よく、お客様には笑い話で、
少々靴が履きづらくても、
ひざを曲げて歩こうがなにをしようが、
足に合っていない靴を力技で履くことができるのは、
へそ出しも可能な体力ある20代までですと話します。

オシャレ大好きで、履き心地無視の
大好きデザインの靴を履きたいのですから、
お嬢さんたちにみっともないからやめなさい!
と言ったって無駄なこと、

それよりも、
その心意気にエールを送ってあげて下さい。

へそ出しの代わりにカイロを巻きだしたら、
とてもじゃないですけれど
体力ついていきませんから自然にやめていきます!

そして自分の無知さを俯瞰して見られるようになるのです。と。笑

お客様たちも
「昔は頑張って履いてたんだけどね~」と大笑い。

ご自身の経験を振り返って納得していただけます、
みんな同じ道を通っているのですね。

夏に活躍するミュールは
少しばかり履きにくくありませんか?
でも、鼻緒のトングタイプだと
見た目以上に履きやすいでしょう?
この原理なんですね。

下駄や草履にはカカトがなくても
問題ないのは鼻緒があるから。

ですから履きなれずに、
痛いからと言って極端に鼻緒を緩くしすぎると、
とたんに履きづらくなるはずです、
さらには必要以上に下駄の音が響く。などね。

蛇足ですが、実は草履・下駄も
長時間履いていると足がつらくなるんですよ、
あまりご存じないでしょう?

草履や下駄って
足によいイメージしかありませんものね、一般的に。

特に下駄の場合が多いですが、
足裏が接する部分が真っ直ぐに作られているものは
私の経験上、一日中履いていると足裏が疲れた~と
駄々をこね始めます。

普段、履きなれていない方が下駄を選ぶ場合、
足裏の形状に沿ったカーブが施されたものが
販売されていますので、
そのようなタイプを選ぶといいですね。

私共でも夏の間はファッションの一部として
カーブが足裏を支えてくれる
下駄の取り扱いをしていますが、
足触りがとても気持ちが良いものです、

たまに私も着物ではなく
ワンピースにあわせたりして楽しんでいます。

サンダルとは違った心地よさがありますよ。

下駄や草履も専門店で
しっかりとアドバイスを受けて
お求めになることをお忘れなく。

さて、話をカカトのバカバカに戻しますが、
靴がカバカバする状態というのは、
恐ろしく私たちの体力を奪い去っていきます。


靴の中で足指が必死に丸まって厚みをだすことで、
靴が足から飛んでいかないように必死に耐え続けている。
というなんとも涙ぐましい事態が
靴の中で起こっているとはご存知ないでしょう?

このようなことから、私共では入荷セレクト時に
私「あら、カカト甘いわ~」と口にした瞬間、
スタッフ声をそろえて一斉に「却下!」
なわけです。

カカトがきつめの靴は、
まだ救いようがあります。
柔らかくすることは可能だからです。

ですから、みなさんも、
どんなに気に入った靴だったとしても、
カカトが甘いゆるい靴はあきらめましょう。

大丈夫。
必ずあなたにピッタリの靴が登場しますから、
そうがっかりしないでくださいね。大丈夫!

靴選びのルール2は、
カカトの合わない靴は潔くあきらめること

そう、潔くあきらめましょう!
はいっ、次っ!